下部消化管外科

治療対象疾患は、大腸・肛門および小腸(空腸・回腸)の悪性・良性疾患全般です。大腸がん、GIST(小腸GIST、直腸GIST)、後腹膜腫瘍、腸重積などを治療しています。

診療内容

大腸がん

大腸がん(結腸がん・直腸がん)は、手術と化学療法(抗がん剤)、放射線で治療しています。当院は東京都認定がん診療病院であり、消化器内科との密な連携や地域医療機関からの多数のご紹介もあって、大腸がん症例は年々増加し、ここ数年、約180例前後の大腸がん手術を行っております。当科の症例の特徴として、他臓器浸潤がんや同時性肝転移例など進行例が多く、StageIIIa 以上の進行がんが2/3を占めています。大腸がんの性質上、適応があれば手術で出来うる限り切除するのが望ましく、積極的に、膀胱などの他臓器合併切除や肝切除を行い、良好な治療成績を得ております。

腸閉塞・大腸穿孔

また、緊急症例に対する迅速な対応も当院の使命ですが、大腸がんによる腸閉塞・大腸穿孔などの緊急症例が約20%を占めています。都認定がん診療病院かつ救急病院という特徴から緊急手術に関しては柔軟な対応が可能な状況であることが多く、「腸閉塞を呈する大腸がん(大腸がんイレウス)」に関しては全国的にも有数の治療経験を有しております。現在、大腸がんイレウスで当科に緊急入院した患者の大半が全在院日数10日前後で退院しています。本人の精神的負担や肉体的苦痛はもちろん、術後補助療法の早期開始や医療スタッフの負担軽減を考えると、当科の基本方針である「緊急手術」のメリットははかりしれません。

ストーマ

下部直腸がん・肛門管がんなどで人工肛門(ストーマ)を造った場合には、院内の皮膚排泄ケア認定看護師を中心に入院中のみならず退院後の日常生活指導まで、継続的なケアを提供しています。

他科との連携

他科との連携を良くして、患者にとって一番良い治療を選択するように心がけています。同じ骨盤臓器を治療する科である婦人科や泌尿器科とは、症例により合同で手術を行っています。また、月に1回「キャンサーボード」を開催しており、治療困難症例では、内科・放射線科・検査科(病理)と協力して治療方針を決定しています。

終末期ケア

終末期のケアもがん治療の中では重要な位置を占めています。医療連携・地域看護ステーションとの協力のもと、在宅ケア、ホスピスへの紹介も行い、最期まで患者さんのQOL(quality of life: 生活の質)を低下させないように努めています。

特色

大腸ERAS

手術治療は、ERAS(enhanced recovery after surgery;術後回復強化プログラム)により、術前・術中・術後いずれにおいても積極的な治療をしています。術後手術関連合併症が少ないのが特長で、結果として大半の方が、手術後7日目以内に退院し、早期に社会復帰を果たしています。「外来初診から手術して退院までを1カ月以内に」を目標に、迅速な対応を心掛けております。緊急症例や高齢者が多いにもかかわらず、当科の治療成績はセンター病院と遜色ありません。

大腸ERASについて、詳しくはこちら

低侵襲手術

早期の退院、社会復帰を目指すため低侵襲手術も積極的に行っております。その代表的手術の一つとして腹腔鏡下大腸手術があります。低侵襲手術とは体にできるだけ負担をかけない手術のことで、カメラや鉗子を用いて行う腹腔鏡手術はその一つです。従来行われてきた開腹手術のようにおなかを大きく開けること必要はなく、数cm程の傷で大腸手術を行うことが可能です。傷を小さくすることで、術後の痛みが少なくなり、術後早期回復、早期退院、ひいては、スムーズな社会復帰がえられるなど数多くの利点があります。良性疾患、早期大腸癌のみならず、進行大腸癌でも適応を慎重に判断し行っております。

ページの先頭へ

2014年4月 8日 最終更新