内視鏡センター

<新型コロナウイルス感染症対策について>

墨東病院内視鏡センターでは患者様に安心して検査を受けていただくことができるよう、新型コロナウイルス感染症に対して、下記の対策を行い感染拡大防止に努めております。

①検査担当医師・看護師の健康チェック(体温測定等)
②検査担当医師・看護師のN95マスク、フェイスシールド等の防護具装着
③感染症科医師等による巡回点検の実施
④スタッフに対する感染防止研修の実施
⑤検査終了後の検査室の換気
⑥病院入り口での検温、検査前問診の実施
⑦内視鏡検査予約時から検査までの間の健康チェック(検温表記入)のお願い
⑧受付カウンターへのシールドの設置
⑨待合室でのソーシャルディスタンスの確保

診療内容

内視鏡センターでは消化器内科(内視鏡センター長・副センター長含め18名)・外科(2名)、呼吸器内科 4名)・呼吸器外科 3名)の医師が協力して消化器内視鏡検査・治療、気管支鏡検査を行っています。

(気管支鏡検査については呼吸器内科、呼吸器外科のページを参照ください。)

 

地域がん診療連携拠点病院、ER・救命救急センターを擁する3次救急医療機関として下記の点に重点を置いています。

  1. 消化管腫瘍(食道癌、胃癌、大腸癌等)の診断・治療

  2. 胆膵疾患の診断・治療

  3. 消化器救急医療(内視鏡的消化管止血術、静脈瘤治療、胆道ステント留置術等)

  4. 肺癌、びまん性肺疾患の診断

 

主な検査・医療設備

消化器内視鏡治療室 1室、消化器内視鏡検査室 4室、透視室 2室

リカバリーベッド 6台

高周波装置 ERBE:VIO3 2台、Olympus:ESG-300 1台、ESG-100 3台

大腸カプセル内視鏡、小腸カプセル内視鏡、小腸ダブルバルーン内視鏡

SpyGlass™DS、超音波内視鏡装置 3台

消化管腫瘍(食道癌、胃癌、大腸癌等)の診断・治療

オリンパス社製・富士フイルム社製の拡大機能等を搭載したハイビジョンスコープを多数揃えており、特殊光観察(NBI/BLI/LCI)や拡大観察も含めた精密な内視鏡検査が施行可能です。

超音波内視鏡検査、EUS-FNA(超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診)による消化管粘膜下腫瘍の診断も行っています。

表1) 内視鏡検査施行件数(年度別)

 

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

上部消化管内視鏡検査

4575

4719

4910

5311

5559

下部消化管内視鏡検査

3084

3314

3382

3329

3633

 

2018年8月より連携予約(2次検診当日上部内視鏡)を開設しましたので是非ご利用ください。予約の上、朝食を摂取せずに来院いただくと、受診の当日に上部内視鏡検査を受けることができ、異常がなければその日に結果をお伝えして終了となります。生検(病理組織検査)を施行した場合やさらに精密検査が必要な場合には後日検査や診察の予約を取らせていただきます。なお併存疾患や内服薬の内容によっては当日の検査が難しい場合がありますので、ご了承ください。

→新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、受診当日の内視鏡検査は中止しています。




2017年4月より厚生労働省のがん診療連携拠点病院に指定され、がん診療についても積極的に取り組んでおり、多くの治療実績があります。消化器内視鏡治療室では最新の高周波装置(ERBE:VIO3)を設置しており、出血の少ない安全な治療を行うことができます。当院のがん治療の特徴は、心臓病、脳卒中、腎臓病(人工透析)などの持病がある方や、救急で搬送されたのを契機にがんが見つかった方など、状態の悪い患者さんが多いところです。そのような患者さんに対しても循環器科、神経内科、脳神経外科、腎臓内科等と連携して、適切な治療を提供できるように努めています。麻酔器も設置されており、全身麻酔下の治療の導入準備も行っています。 
 早期の胃癌、食道癌、大腸癌に対しては体への侵襲が少ない内視鏡治療(内視鏡的粘膜下層剥離術:ESD、内視鏡的粘膜切除術:EMR)を積極的に行っています。内視鏡治療を行うことで、従来の外科手術と比較して短い入院期間での治療が可能となっており、治療後の体の負担を軽減することができます。
ESDの標準的な入院期間は胃癌・食道癌の場合7日、大腸癌の場合は5日です。

墨東病院での治療件数は年々増加しており、手術数でわかるいい病院2021(週刊朝日MOOK)にて胃がん内視鏡治療 関東21位(東京都 9位)でした。

通常の連携予約に加えて、早期癌内視鏡治療専門外来(月・木)を開設しました
ので、是非ご利用ください。

表2) 内視鏡治療(ESD)件数 

 

2014年

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

胃癌

117

85

101

101

126

139

食道癌

12

16

16

11

23

28

大腸癌

24

32

36

44

57

83

 

 

実技指導)
7回レーザー内視鏡学術セミナー(2018.7) 講師  古本 洋平
7、8回つくば鏡視下手技トレーニングセミナー(2019.3、2019.11) ESD講師  古本 洋平

 

苦痛の少ない内視鏡検査

当センターでは苦痛の少ない内視鏡検査を心がけています。希望により経鼻内視鏡検査(鼻から入れる胃カメラ)、静脈麻酔下での内視鏡検査(麻酔を使用して眠ったままできる胃カメラ・大腸カメラ)を受けることができます。検査機器や麻酔薬、リカバリーベッドの準備が必要なため、希望される場合は検査予約時に直接担当医へお伝えください。(持病や全身状態から希望に添えない場合もありますのでご了承ください。)


胆膵疾患の診断・治療

総胆管結石や膵胆道系腫瘍に対する診断・治療目的にERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影),EUS(超音波内視鏡検査), EUS-FNA(超音波内視鏡下穿刺吸引法)等に積極的に取り組んでおります。施行件数は非常に多く経験が豊富です。

2017年に最新の超音波内視鏡装置とスコープを導入以来、EUS、EUS-FNAの件数が飛躍的に増加しており、2019年の施行件数は超音波内視鏡検査:443件、(うちEUS-FNA(超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診):52件)となっています。またダブルバルーン内視鏡の導入により、胃切除後の患者さんに対してのERCPも施行可能となりました。
 
表3) ERCP施行件数(年度別)

 

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

ERCP(関連処置含む)

490 602 581 609 640

超音波内視鏡検査

60 391 443

EUS-FNA

19 49 52

 


 2020年より新型の胆道鏡(胆管内を直接観察する内視鏡)であるSpyGlass™DSを導入しました。SpyGlass™DSは、従来の胆道鏡に比べて操作性が向上、デジタル化による画質の向上が特徴であり、また、ディスポーザブル(使い捨て)で簡便に使用可能のため、より実用的になっています。SpyGlass™DSを胆管・膵管内に直接挿入することにより、これまで直接見る事の出来なかった胆管や膵管を高精細なデジタル映像で観察でき、胆管・膵管腫瘍の精密検査が可能となります。また、巨大な結石は電気水圧衝撃波胆管結石破砕装置(EHL)と呼ばれるデバイスを用いて、衝撃波により結石を砕いて治療することが可能となりました。難易度の高いとされる胆道・膵管病変の検査・治療を、これまで以上に高いレベルで行えることが期待されます。

3Dナビゲーション 3Dナビゲーション

消化器救急医療(上部消化管出血)

救急診療科(東京ER墨東)や救命救急センターと連携して、消化管出血や急性閉塞性化膿性胆管炎など、緊急の内視鏡治療を必要とする患者さんの受け入れを積極的に行っています。
新棟の新しいERでは、内視鏡治療が可能なブースを備えており、緊急の内視鏡治療にも対応できるようになっております。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍などによる吐血・下血にて救急搬送される症例が最も多く、迅速な対応をすること(下図:2011-2014年の来院から内視鏡施行までの時間)で良好な治療成績を得ております。2011年から2014年までの間の内視鏡的止血術の成功率は99.4%でした。


表4) 非静脈瘤性上部消化管出血に対する緊急内視鏡止血術施行件数(要入院)

 

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

患者数

111

112

143

99

113

 


 

消化器救急医療(大腸憩室出血)

【大腸憩室出血に対する新しい治療法:留置スネアを用いた内視鏡的止血術 Endoscopic detachable snare ligation (EDSL)】

 

大腸憩室出血は下部消化管出血の原因として最も頻度が高い疾患です。多くは自然に止血し、保存的加療で軽快しますが、3~4割の頻度で再出血を来します。出血源となった責任憩室が同定できた場合、現在はクリップ法による内視鏡的止血術が一般的に行われています。クリップ法は比較的簡便で低コストであるというメリットがありますが、その再出血率が問題となります。近年、Endoscopic band ligation(EBL)法というゴムバンドによる出血憩室の結紮術が普及しつつありますが、当院では新しい治療法として留置スネアを用いた内視鏡的止血術を施行しています。

この治療法は2015年に筑波大学附属病院消化器内科から報告されました (Akutsu D, et al. Endoscopy 2015;47:1039-42.)。大腸憩室出血の診断で入院なさり、担当医の説明を受けてこの治療法に同意していただいた場合、出血源が同定できれば留置スネア法による止血術を検討いたします。

この治療法は当院に設置されている「倫理・個人情報保護委員会」で倫理的・科学的妥当性について審査され、その実施が承認されています。また、当院では大腸憩室出血に対する内視鏡的止血術を積極的に施行しており、下記のとおり多数の学会や論文でその成績を発表しています。

 

 

表5) 大腸憩室出血に対する止血術施行数

 

2013年

2014年

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

入院患者数

72

84

77

69

73

84

101

内視鏡的止血術施行数

16

34

39(12)

31(22)

28(20)

38(27)

49(36)

                                             ()内は留置スネア法の件数

小腸内視鏡検査

原因不明の消化管出血や、小腸腫瘍が疑われる場合等に、小腸カプセル内視鏡検査、小腸ダブルバルーン内視鏡検査を行っています。カプセル内視鏡検査を施行前には消化管通過性検査(パテンシーカプセル)を行い、カプセルの滞留が起こらないように注意しています。小腸カプセル内視鏡検査で異常を認めた場合や、小腸狭窄等でカプセル内視鏡検査が禁忌となる場合には小腸ダブルバルーン内視鏡検査を行います。

臨床試験

当センターでは、JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)の消化器内視鏡グループに所属している他、様々な多施設共同臨床試験に参加しています。多施設共同臨床試験の他にも倫理委員会承認のもと、いくつかの新しい治療に取り組んでいます。

当院単施設での治療

1, 難治性吻合部狭窄に対するRadial Incision ad Cutting (RIC)法の安全性・有効性の検討

2, 大腸憩室出血に対する留置スネアを用いた内視鏡的止血術の有効性の研究

3, アルコール性重症急性膵炎に対する経乳頭的経鼻膵管ドレナージの有用性の検討

多施設共同臨床試験

1, JCOG1902 早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術の高齢者適応に関する第Ⅲ相単群検証的試験

2, JCOG1612 局所切除後の垂直断端陰性かつ高リスク下部直腸粘膜下浸潤癌(pT1癌)に対するカペシタビン併用放射線療法の単群検証的試験

3, JCOG1207 食道癌術後難治性吻合部狭窄に対するステロイド併用EBDおよびステロイド併用RICのランダム化比較第II/III相試験

4, JCOG1009/1010 未分化型早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術の適応拡大に関する第Ⅱ相試験(長期の追跡調査中)

5, 直接作用型経口抗凝固薬内服者における大腸ポリープ切除後出血の薬理学的予測因子の探索的研究

6, 直接作用型経口抗凝固薬内服者における内視鏡的粘膜下層剥離術後出血の薬理学的予測因子の探索的研究

7, 大腸ポリープ周術期における直接抗凝固薬(DOAC)の休薬期間に関する非盲検化ランダム化比較

8, 消化器内視鏡に関する疾患、治療手技データベース構築

9, 「胃癌AI診断の精度向上」のための研究

10, 大規模データベース構築から明らかにする急性下部消化管出血患者のクリニカルアウトカムの実態とその関連因子の解明:多施設共同後ろ向き研究

11, 家族性膵癌家系または遺伝性腫瘍症候群に対する早期膵癌発見を目指したサーベイランス方法の確立に関する試験

論文

論文一覧.pdf(186.1 KB)

主な学会発表(主題演題等).pdf(148.2 KB)

専門医一覧(※指導医)

日本消化器内視鏡学会専門医 ※古本 洋平   ※小林 克誠  松本 太一
※淺野 徹  矢内 真人  佐藤 綾子
 田代 祥博  野坂 崇仁  松岡 愛菜
 大倉 幸和    

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2021年4月 8日 最終更新