心臓血管外科

特色

心臓血管外科では、当院の総合病院としての特性を生かして、心筋梗塞治療後、人工透析中、糖尿病、慢性肺疾患等の合併症がある患者さんの手術が可能です。他院で治療に難渋されている方もご相談下さい。現在、患者さんの負担の少ない低侵襲手術を積極的に行いつつ、新しい手術方法開始の準備を進めています。当科は「最適かつ最新な治療方法」を提示・提供致します。

トピックス

1)経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)開始:2018年9月

ハイブリッド手術室を用いた新規の低侵襲心臓手術を開始しました。

2)大動脈ステントグラフト治療が200名に到達:2018年8月

2012年に開始した大動脈瘤(胸部、腹部)に対する新しいカテーテル治療を受けられた方が200名を超えました。

3)心臓血管外科専門医4名体制での診療:2018年7月

板垣 翔医師(医長)の着任により体制が強化されました。

4)ハイブリッド手術室の完成:2017年3月

血管撮影と手術が同時に施行できる手術室で、待機予定手術、緊急手術を問わず対応がより迅速になりました。また、新しい低侵襲手術も可能となりました。

当科の紹介

胸部心臓血管外科は2011年4月より新体制でスタートし、2018年4月より更なる診療体制の充実を目的に心臓血管外科、呼吸器外科が各々独立しました。
心臓血管外科は、関連した循環器科、呼吸器内科、麻酔科、放射線科、腎臓内科、輸血科の医師や臨床工学技師、診療放射線技師、臨床検査技師、専門的な知識と経験を持った看護職員など、総合的な能力が必要とされる診療科です。当科は病院全体からのバックアップにより、更なる充実を目指しています。

学会認定修練施設

  • 外科専門医修練施設 (基幹施設)
  • 心臓血管外科専門医修練施設 (基幹施設)
  • 脈管専門医修練施設 (基幹施設)

学会認定専門医・指導医資格

・心臓血管外科専門医・修練指導医  ・循環器専門医  ・外科専門医
・救急科専門医  ・脈管専門医  ・胸部外科学会指導医
・周術期経食道超音波検査認定医 ・臨床修練指導医(外国人医師の指導)

基本方針

  • 24時間対応
    救命救急センター、ER、循環器科と連携して急病や急変に対応します。
  • 安全で質の高い医療
    総合病院の利点を生かし、各科の協力により患者さん個々に最適かつ最新の治療法を選択します。
  • 医療連携
    手術後は、原則としてご紹介いただいた病医院での治療・経過観察の継続をお願いしています。

対象疾患

心臓弁膜症に対する手術

心臓の中は4つの部屋に別れており、それぞれの部屋の出口で扉の役割をするのが弁です。この弁がしっかり閉まらなくなると逆流(閉鎖不全)を起こし、狭く(狭窄)なると血液の流れが悪くなります。症状は、息切れ、胸痛、咳の持続(特に夜間)、下肢のむくみ、不整脈(脈の乱れ)などです。手術では、自己弁を修復する方法(形成術)と人工弁に取り替える方法(弁置換術)とがあります。

1)大動脈弁に対する手術 

高齢化社会に伴い、大動脈弁狭窄症の方が近年増えています。当科では、従来からの人工心肺をもちいた大動脈弁置換術に加えて、患者さんの負担の少ない経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)を開始しました。適応となる患者さんには制限がありますので外来にてご相談ください。

手術方法(TAVI)
人工心肺を使わず、カテーテル内に収納された人工弁を大動脈の位置に留置します。多くの場合、足の付け根(大腿部)からカテーテルを血管内に挿入します。留置した直後から人工弁は自分の新しい弁として機能します。
手術方法(TAVI)

2)僧帽弁に対する手術

僧帽弁逆流では、自分の弁を温存する弁形成術を積極的に行っています。
現在、胸部小切開による低侵襲心臓手術(MICS)に向けて準備中です。

僧帽弁後尖からの逆流に対する弁形成術
僧帽弁後尖からの逆流に対する弁形成術

大動脈瘤(胸部・腹部)に対する手術 

大動脈瘤とは心臓から血液を送る大動脈の一部が異常に膨らんだ状態で、場所によって胸部大動脈瘤と腹部大動脈瘤とに分けられます。原因の大半は、動脈硬化と高血圧です。大動脈瘤は通常は無症状で、大部分はCT検査などで発見されます。一般的には大動脈瘤の径が4~5cm位になったところで手術します。大動脈瘤が5cmを超えると破裂の危険性があり、破裂した場合の危険度は 50%以上になるため瘤が破裂する前の手術が必要です。2012年より開胸、開腹を要さないカテーテル治療(ステントグラフト挿入術)を開始し、現在までに200人以上の方で施行しました。2017年は大動脈瘤の患者さんの72%がステントグラフト挿入術を受けられました。

胸部大動脈瘤に対するステントグラフト挿入術(術前・術後)
胸部大動脈瘤に対するステントグラフト挿入術(術前・術後)

虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)に対する冠動脈バイパス手術

冠動脈は心臓に酸素や栄養を送る血管です。冠動脈が動脈硬化などで狭くなって酸素不足が生じると狭心症となり、閉塞すると心筋への酸素供給が途絶して心筋梗塞となります。通常は内科での内服薬投与やカテーテル治療が有効ですが、重症の場合には外科手術(冠動脈バイパス術)が必要になります。手術方法は、心拍動下(人工心肺非使用)のバイパス手術を基本としています。

動脈グラフトを用いた冠動脈3枝バイパス術 動脈グラフトを用いた冠動脈3枝バイパス術
―術後CT像―
・右内胸動脈→右冠動脈
・左内胸動脈→左前下行枝
・左橈骨動脈→左回旋枝

急性大動脈解離に対する手術

血圧の急激な上昇に伴って、突然の胸部痛や背部痛で発症する病気です。大動脈の内側の壁が縦方向に裂ける(はがれる)ため、大動脈は2層(真腔と偽腔の2ルート)に分かれます。当院は東京都区東部(墨田、江東、江戸川)で唯一の急性大動脈スーパーネットワーク緊急支援病院として、積極的な対応を行っています。

解離の部位と治療方法 解離の部位と治療方法
大動脈解離(大動脈内側の裂け目)のできる部位によって危険性や治療方法が異なります。
・解離が心臓に近い場合(Stanford A型)は緊急手術(人工血管置換術)が必須です。
・解離が下行大動脈以下の場合(Stanford B型)は保存的治療もしくはステントグラフト手術を行います。

その他の心臓血管疾患に対する手術

重症心不全に対する複合手術

心不全の原因を詳しく調べ、1回の手術で複数の手術操作を組み合わせます。心臓が特に拡大している場合は左室縮小形成術(バチスタ手術等)を行います。

不整脈(心房細動)に対する手術

脈がまったく不規則となった状態で、心不全や脳梗塞の原因となります。内服薬やカテーテル治療も有効ですが、持続する場合には外科治療(メイズ手術)の成績が良好です。心臓弁膜症に合併した場合には、同時に手術します。

その他の心臓血管疾患に対する手術

肺塞栓症、成人先天性心疾患、心臓腫瘍 、心臓血管損傷(外傷)、血管の切除を要する各種腫瘍など

末梢血管疾患(慢性および急性動脈閉塞)に対する手術

カテーテル治療(経皮的血管形成術)や血管バイパス手術を行っています。

外来

外来は予約制となっておりますので、患者さんは電話で予約をすませてから受診いただくようお願いいたします。専門性の高い治療を迅速に提供できるように、ご紹介状の持参をお願いいたします。

外来日:火曜日、水曜日、金曜日(初診、再診)

*弁膜症外来(毎週金曜日午後):循環器科と協同
 担当:心臓血管外科(偶数週)、循環器科(奇数週)
 心雑音や息切れがあり精密検査を希望される方の受診も可能です。

主な医療設備

  • 人工心肺装置(2台)
  • 経皮的心肺補助装置
  • 大動脈内バルーンパンピング
  • 体外式人工心臓(施設認定)

地域とのつながり

  • 大動脈瘤ステントグラフト治療実施施設
  • 急性大動脈スーパーネットワーク緊急支援病院

ページの先頭へ

2019年4月12日 最終更新